afternoon life

悩み多き人生ですが、残りの半生を楽しく意義あるものにしたいと思い、綴っていきます。

インデックスファンドのコストなんて高くても関係ないって、本当ですか?

2016年に買った本で、セゾン投信社長、中野晴啓氏の著書「長期投資のワナ」という本があります。まだ当時、僕がセゾン投信から積み立て投資をスタートさせて、それほど間もない頃の話です。

その本を手にして早2年が経っているのですが、未だに理解が出来ないことがあります。第二章インデックス投資の真実に「インデックスファンドのコストなんて高くても関係ない」とあるのです。

本当にそうでしょうか。

 僕の理解力が低すぎるんですかねぇ。

たま~~に(2、3ケ月に1度取り出して)読んでみるんですが、最近やっとこの方のインデックスファンドに対する考え方がちょっとわかった気がしているんです。いや、気がしているだけかもしれません。

三菱自動車のような(この例は分かりやすく僕が書き加えています)、クソみたいに不祥事を連発する会社を保有せざるを得ない点を、インデックスファンドの気持ち悪さと表現したりする一方で、「アセットロケーション(資産配分)の決定こそが資産運用のプロとしての中核と言えます。さまざまな情報が集まってくるプロの運用者が、自分の知見と経験を活かし、その時々のマーケット環境に応じてリスクをコントロールしながら、次の収益機会を狙って効率的に運用する。これぞプロの運用の真骨頂であることは確かです。ただ、私自身はこの手の考え方に反対です。なぜなら、「いつも本当にあたるのですか?」という疑念が払拭できない、言い換えれば、人間の予知能力を否定しているからです。(第一章 「長期投資の大誤解」より)」と述べていたり。。。

最初は戸惑いましたね~。

初心者に日本のインデックスファンドを薦めるのは合理的理由が無い。アクティブファンドの方が初心者向けだと述べたり。

 

何度か読むうちに、あちこちに書かれた文章をかいつまんでみると、あぁつまり、この人は本音は、東芝などの不正会計を行う会社が市場淘汰されない日本株式に、特に不信感持っていて、そういった株式を買うのは本当は嫌なんだけど、今後も世界経済が成長していく前提で考えるとインデックスファンドを活用しなければいけない。とはいえ、インデックスファンドを活かすにはアクティブファンドは欠かせない。(インデックスファンドだけだと市場が死んでしまう)

アクティブファンドを買うか、インデックスファンドを買うかは嗜好の問題なんだけど、でもインデックスファンドに投資をするということは、マーケット全体を買うということであり、良い会社だの悪い会社と事前に選別することは不可能なので、そういうことは考えないようにしないとだめだよ~、と言いたいのかなと、感じているんですが(伝わるかなこの感覚。)

 

なぜこんなに理解しがたい文章になるかというと、アクティブファンドに対する批判もあればインデックスファンドに対する批判もあり、結局どちらを薦めたいのかという結論が出ていないんですよね。多分、この方はどちらが優れているという考えはなく、どちらも一長一短があるから自分に合うものを選ぶしかない、という考えなんだと思うのです。(違ったらごめんなさい。)

 

でもですね。コストに関することだけは未だによく分からないんですよね。

 

信託報酬2%のファンドAと、信託報酬0.5%のファンドBの、平均4%のリターンで20年運用した場合の例が書いてあります。投資元本が100万円の場合、その差は50万3842円にもなるという、信託報酬の一見分かりやすい講義です。

その一方で、インデックスファンドのコストなんて高くても関係ない、とは…?

 

インデックスファンドの本当の価値は、ターゲットとするベンチマークとのトラッキングエラーを最小限に抑えることである。

ふむ。まぁ、確かにインデックスファンドを買っている以上、ベンチマークと同じリターンで無ければならないので、ベンチマークより高いリターンを得られても、それが良いインデックスファンドとは評価されないでしょう。

でも、「インデックスファンドの価値を「ローコスト」に求める人は結構多いと思うのですが、極論すれば、信託報酬が年0.1%でも、年1.0%でも、運用成績がベンチマークと一致していれば、どちらでも良いと言えるのです。(第二章「インデックス投資の真実」より)」っていうのは、どうなんでしょう。

コストを抑える点で評価されるのは、アクティブファンドだそうなのですが。。。

 

運用会社、或いはファンドマネージャーを評価するのなら、トラッキングエラーだけ見ていれば良いのかもしれませんが、個人投資家からすると、それだけでしょうか?と感じてしまいます。

もちろん、今の信託報酬が合理的かどうかは、僕には分かりません。いや、資産総額からすると、きっと破格なのでしょう。

当初つみたてNISAの対象になれる銘柄はほとんどありませんでしたが、続々と信託報酬が改定され、或いはつみたてNISA向けにファンドが誕生しました。

「すべての信託報酬をローコスト化したら、今度は投資信託会社の経営自体が続かなくなる恐れがあります。

中略

正直なところ、ローコストなインデックスファンドは単なる客寄せパンダでもあると言えるのです。(第二章「インデックス投資の真実」より)」

(注:客寄せパンダ…つまりインデックス投資から入門させて、高額なアクティブファンドを買わせるという意味ですね。)

まぁ、客寄せパンダかどうかは置いといて、投信会社の経営に関わるという点においては、確かにそうなんでしょうけど。。。

だとしたら逆に、資産総額が幾らまでに達したら、信託報酬をこれだけ下げられますというような方針が見える化されていれば、セゾン投信に懐疑的な人も批判のトーンが下がるのでしょうけどね。

 僕はアクティブファンドにも手を出していますが、インデックスファンドしか買わないという人には、客寄せパンダという表現は当てはまりませんし。

 

少し批判めいた記事を書いてしまいましたが、個人的にセゾン投信を否定しているわけではないのです。今は止めてしまいましたが、最初に始めた投信だからこそ、どんなに低コストのファンドが誕生しても生き延びて欲しいなぁと、思っています。